医者「ご主人は大変深刻な状態です」 私「えっ」 → そのまま緊急手術。朝の6時頃、手術が終わり…

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修羅場を語れ
272 : 名無しさん@おーぷん 19/06/24(月)14:15:21 ID:Wt7
書きます。長いです。

関東の端の方で、子供なしの二人暮らし、主人と私お互い38歳の冬でした。
その日の夕食は、二人で選んだステーキ肉をワインと共に戴く予定で、お肉大好きな主人はお気に入りのソースを買いに行きました。
そろそろ帰宅するかと帰りを待ちましたが、なかなか戻ってきません。
いよいよ待ちくたびれた頃、予定よりも2時間遅く主人が帰ってきました。

そして様子がおかしい。買い物もしていない。
這うようにして家に入ってきてそのままリビングで横になったまま「調子が悪いのでこのまま休みたい」と言うのです。
汗をびっしょりかいて、手足が冷たくなっていました。

運転中、急に背中に痛みを感じて車を止め休んでいたが、段々とお腹が痛くなってきてトイレに行ってまた休んで。その内に足が痺れてきたと。
いくら待っても一向に良くならないので、そのまま帰ってきたとの事。
そして、車を降りた後、左足に力が入らず歩けないのでここまで這ってきたと。

今はお腹が痛く、場所も痛みも尿管結石をやった時と似ている。左足は感覚が鈍っている。自分で動けそうもない。
慌てて救急車を呼びました。

救急隊員さんと症状について話した後、とりあえずは尿管結石で診て頂いた事のある病院へ向かうことになりました。
家から15分の距離です。

病院へ到着すると、私は待合室で待つように言われ、主人は何処かへ連れて行かれました。
そして、『ご家族の方へ』と書かれた紙を渡されました。

1.血液検査をします
2.CT検査をします
3.腹部エコー検査をします

というような事が書かれていたと思います。

その内、主人が車椅子に乗せられ待合室へ連れて来られました。
救急隊員さんの申し送りと改めて看護士さんと問答をした後、緊急ではないと判断されたのでしょうか。
呼ばれるまで待つように言われました。
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273 : 名無しさん@おーぷん 19/06/24(月)14:16:13 ID:Wt7
その際、裸足で来た主人はスリッパを借りていたので、自分の履物に履き替え、借りたスリッパを看護士さんに渡そうとしました。
「ん?あー、そこに置いといてください。あーうん、やっぱり貰います。」
年配の女性看護士さんです。なんだかとても面倒くさそうに感じました。

待ちながら主人と話していましたが、尿検査はどうするかとなった時に、先ほどの年配の看護士さんが「要らないでしょ」と言い、結局しなかったと。
なんとなくモヤモヤします。こんなものなのかな?ちゃんとして欲しいんだけど。

待合室を見回すと3、4組の患者さんが待っているように見えました。
車椅子のお年寄り、車椅子で足にギプスをした若い男性、ぐったりした中年のご夫婦。こちらは寄り添って眠っています。
そして、走りまわる子供たち。
救急というよりは夜間外来という雰囲気です。

待っている間、主人は段々辛そうになり、横になりたいと言いました。座っているのもしんどいと。
受付に寝かせて待たせてくれるように頼み、主人だけ奥へ案内してもらいました。ここからまた離れ離れです。

いい加減待った頃、またもや主人が車椅子に乗せられ連れて来られました。
呼ばれるまでここで待って下さいと。
聞くとまだ血液検査だけ、検査をしたら起こされて外で待てと言われたそうです。

言われた通り待っていましたが、やはり具合が悪く起きていられないようです。
待合のソファーに横になる事にしました。
体の大きな主人にはとても窮屈そうでしたが、仕方ありません。
というか、この病院が段々と不信に思えてきました。

しばらくすると、看護士さんが迎えにきました。CT検査をするようです。
主人をソファーから起こそうとしますが、なかなか起き上がれません。
やっとの思いで車椅子に移す事が出来ましたが、足を乗せるのにまた一苦労。
えー・・・ちょっと段々酷くなってるんですけど・・・まだですかねぇ・・・?
274 : 名無しさん@おーぷん 19/06/24(月)14:16:50 ID:Wt7
主人がCT検査へ向かった後、嫌な予感しかしなくなり、スマホで症状を検索しまくりました。
色々と出てきましたけど、穏やかでない病名が多くて段々焦る気持ちが強くなってきました。

そして検査が終わると、また私の元へ車椅子で戻される。
寝かせた方が良いとかの判断は無いのでしょうか。
こんなに脂汗をかいて手足が冷たいのに。

主人もソファーが辛かったのか、起きる時の負担が申し訳ないのか判りませんが、もう横になりたいとは言いませんでした。
少しでも楽になればと、血行が良くなるように足をマッサージしながら待ちました。
もう足の感覚は無くなってしまったようです。

待合室も人が減ってきましたが、また新しい人も来ていました。
そろそろ順番がくるでしょう。でもまだエコー検査はしていない。

もう深夜0時を回りました。主人が最初に痛みを感じてからもう6時間も過ぎてる。
なんなんだろう?救急車で来た意味ないじゃん。
主人の前では冷静を装っていましたが私の中では最悪の結末がチラついてきていました。

この頃には義母も駆け付けてくれて(義父は鬼籍)一緒に待っていました。
私より義母の方が主人の症状について楽観視していたと思います。

やっと診察室へ通され、3人で話を聞きました。
お医者さんはCTを見ながら「結石は見当たりません」と言い「便は少し貯まっていますね」と。
「ヘルニアの可能性が疑われますので後日整形外科へ行ってください」

それを聞いて主人は首をかしげていましたが、もう話す気力もないのかじっと黙ったままです。
義母は待ち疲れていた事もあり、大した事なくて良かった。お医者様がそう言うのだから出直しましょうかという雰囲気。

私は頭が???で一杯です。
えっ?何?今まで石探してたの?便?うんこ詰まっただけで救急車で来たと思ってるの?
で、もう帰れって事?車椅子で?ヘルニア?は???
頭グルグルしてやっとエコーの事を思い出した。

「この後、エコー検査するんですよね?」と聞くと
「エコーは特に必要ありません。石も映りませんし。ご主人のようにお腹の脂肪が厚いとあまり鮮明に見えませんし。」
まだ石を探すつもりなんですね。呆れ果てました。そして言葉が溢れ出てきました。
275 : 名無しさん@おーぷん 19/06/24(月)14:17:28 ID:Wt7
「ヘルニアで足が麻痺する事ってあるんですか?今まで自覚症状もなしにヘルニアに急になって歩けないまでになりますか?そもそも結石くらいで救急車呼びませんよ。前にもやったことありますし、経験なく異常な状態だから、早く診てもらいたいから救急車で来たのです。」
こんな事を訴えたと思います。必死でした。

お医者さんは「足が麻痺しているんですか?聞いてないのですが。」と答えました。
すると主人が自力では左足が動かない事を示し、パンツの裾を掴んで持ち上げないと上がらないと。

更に私はムキになって言います。
「おかしいですよね?夕方まで普通に歩けていてヘルニアでこうなるのは。足も動かないのにどうやって帰れって言うんですか。」
とか何とか訴え続けました。

主人はぐったり、義母はもう良いんじゃあないの・・・?と食い下がる私に呆れた様子。

お医者さんは渋々「では今度は造影剤を使ってもう一度CTを撮ってみましょうか。」と提案をしてくれたので、お願いしますと即答しました。
出来る事は全部やってくださいと。

待合室で待つ間、興奮が冷めず文句ばかりが出てきます。
こんなに待たせて帰れって。大体、麻痺は聞いてないってなんなの。タクシー代わりに救急車呼んだと思われてるのか。挙句にうんこって。

そうこうしてる内に周りが慌ただしくなりました。
あの年配の面倒くさそうな看護士さんもストレッチャーを押して走り回っています。
そして主人を乗せて走り去って行きました。

何?何があった?

お医者さんが私達の元へやってきました。
言い難そうに「ご主人は大変深刻な状態です」と言いました。

大動脈解離ですと。
緊急手術が必要ですと。
今から大きい病院へ緊急搬送しますと。
準備が出来次第出発するので暫くお待ちくださいと。

そして走り去って行きました。

大きい病院ってここから1時間くらい掛るのですが・・・
緊急手術が必要なのに今から向かうなんて・・・
何故もっと早く診察してくれなかったの・・・

大動脈解離って、ドキンちゃんの声優さんが車の中で亡くなった病気です。
本当に絶望的でした。
276 : 名無しさん@おーぷん 19/06/24(月)14:18:02 ID:Wt7
義母は事の重大さに言葉にならないような声を出してパニックになりました。
私は「主人は絶対に大丈夫ですよ」となだめながら言葉とは裏腹に覚悟も決めました。

それからは時計とにらめっこです。
刻一刻と時間は過ぎますが、音沙汰なし。
15分ほど待って、居てもたってもいられずに主人と一緒に居させて欲しいと頼みました。

中に通されて主人と目が合うとまだ意識ははっきりしているようで「俺ってそんなに酷いの?」と言いました。
胸が詰まりましたが「大丈夫だよ。静かに安静にしてね。」と答えました。

すると主人が茶目っ気たっぷりに「お肉・・・」とつぶやきました。
もう・・・本当にこの人は!私の緊張の糸は解れ、そして彼は絶対に大丈夫だ!という変な確信が湧きました。
「帰ったら一緒に食べよう!さぁ何も心配しないで休んでね。」

それから主人が尿意が我慢できないと言うので、看護士さんに伝えると、外でお待ちくださいと出されました。
だから最初に尿検査しとけよと。もう、なんなの。まじで。

そしてまた音沙汰なし、義母が病室へ再突入を図るも追い出され会わせてもらえず。
時間だけが過ぎていく・・・

その後、救急車の手配をしていない事が発覚し発狂寸前。
これなんていうロスタイム?

やっと救急車に乗り、道中は主人の一挙一動を見逃すまいとガン見し続け
大きな病院に着き緊急手術。
終わった時はもう朝の6時頃でした。
277 : 名無しさん@おーぷん 19/06/24(月)14:18:28 ID:Wt7
結果、主人生きてた!
本当に良く頑張ってくれた!

左足は「後1時間遅かったら切ってました」と言われたらしい。主人が教えてくれました。
ていうか結構時間が経ってたのに、主人頑丈過ぎて嬉しい。

手術はステントグラフトで2週間で退院できました。
良いお医者さんに手術してもらえてとても感謝しています。

今は予後も良好で元気に過ごしています。
ステーキももちろん一緒に食べました。

もしあのままお別れだったら、命日にはステーキお供えだったね。と笑い話です。

そういえばあの年配の看護士さんが主人に向かって「大変な事になっています!」と言ったきり説明もなく不安だったらしい。
それで「俺ってそんなに酷いの?」に繋がります。

主人は主人で何も分からず、只々私の「大丈夫、安静にしてね。」しか情報がなくてその通りにしていたみたい。
流石に左足は心配だったみたいで、術後いの一番に足を確認して安心していました。

主人のように30代では大動脈解離の診断は難しいという事で本当に見つかって良かった。
健康診断で高血圧と診断され、病院へ行った後、自己判断で通院を止めた人は本当に注意が必要みたいです。

大動脈解離は最初にアイスピックで背中を刺されたような激痛、そのまま下に引き裂かれたような感覚があったという事。
強いお酒が喉元を通って下に降りていくような感じらしい。
痛みは段々と下に下がってきます。裂け方によって主人は左足でしたが、血が止まる場所も違うみたい。

尿管結石に痛みが似ていると言った事、これは間違いでした。
結果、それしか頭になく石ばかりを探して何時間も掛りましたから。

もし、こんな症状があったら、大動脈解離を疑ってみてください。
出来るだけ大きな病院に最初から行く事。
手遅れになる方が少しでも減りますように。

長々と読んでくださってありがとう。
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