曾祖父のおひざは特等席で、いつも取り合いのけんかになった。

sk2ch
嗚咽
373 : 1/3 03/06/17 20:28 ID:XUbO9sEQ
なんだかみんなの話を読んだら、私もひとつ書きたくなった。
子供のころの話なんだけど、忘れられない曾祖父の話。


母の実家。縁側の近くの壁際が曾祖父の指定席だった。
冬はストーブの前で暖かく、夏は縁側からの風がさわやかな特等席。
煙管で煙草をふかし、ひざにはいつも私か弟。
曾祖父のおひざは特等席で、いつも取り合いのけんかになった。
たまに飲む一杯のコーヒーを楽しみにしていた。
相撲が大好きで、TVのチャンネル争いで本気でけんかしたこともあった(w
大好きだった。「そこに居て当たり前」だと思っていた。

曾祖父と私の間には、ひとつだけみんなに秘密にしておいたことがあった。

その日、曾祖父は歩くと結構距離がある親戚の家まで行こうとしていたらしい。
ぽかぽかといい陽気だったのをなんとなく覚えている。
その親戚の家までは、とても幼い私の足で歩いていけるような距離ではなかったが、私はどうしてもついて行くと言ってきかなかったらしく、とうとう二人で出かけることになった。
しかし、大方の予想通り歩けなくなって泣く私。そんな私を曾祖父は黙っておんぶしてくれた。
家に帰ってからそれを言うと母や祖母に怒られるので、このことは私と曾祖父の秘密になった。
その時の背中の暖かさと、ホッとした気持ち。今でもよく覚えている。
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374 : 2/3 03/06/17 20:28 ID:XUbO9sEQ
その曾祖父は、私が小学校に入学する直前にガンで亡くなった。
発見したときにはかなり進行していたらしく、体力的にも手術はきつい状況だったらしい。
一度入院もしたのだが、最後は自分の家に帰ってきていた。
母の実家のいつもの部屋で、祖父母と叔父に看取られて静かに息を引き取ったそうだ。
当時の私には、人の死がどういうものなのかよくわからなかった。
でも、マセガキだった私はわかった振りをして神妙な顔をし、曾祖父にはもう会えないんだという事実だけをわかったつもりだった。

そしてお葬式の日。当たり前だがいつもの指定席に曾祖父がいない。
弟とけんかしてまで取り合っていた特等席は、もうそこにはなかった。
「そこに居て当たり前」の人が、そこにいない。すごく変な気持ちになった。
私は、それをどう言い表せばいいのかわからなかった。
強烈な違和感を何とかしたかった。でも、どうやってもそれを何とかすることはできなかった。
きっと私は、そのとき初めて人が死ぬということを少し理解したんだろうと思う。
375 : 3/3 03/06/17 20:40 ID:XUbO9sEQ
じっちゃのおひざはずっと私たちの特等席だと思ってた。
一人であの指定席に座るのが、あんなに物足りないなんて知らなかった。
入学式まであと一ヶ月だったのに。ランドセル姿を見せたかったのに。

あの秘密、大きくなってからみんなに話しちゃったよ。
子供だった私の記憶なんて、最初は誰も信じてくれなかったよ。
でもね、ばーちゃんが言ってたよ。

「じっちゃがあんたをおんぶして歩いた話なんか、聞いたことがない。
言うとあんたが怒られると思って、墓場まで持っていったんだねえ。」

なんか、これ聞いて泣いちゃったよ。
あんな小さな子供との約束、ちゃんと守ってくれてありがとう。
今度の夏は、コーヒー持って墓参り行くから。


なんかちょっと嗚咽とは違う話でしたね。
スレ汚しスマソ。ROMに戻ります。
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