現地の人といろいろ話しながら飲み → 突然、隣にいた男がしんだ。今でもたまに夢に出てくる。

2000年の8月なんだが、卒業旅行で一人旅をしていてトルコのイスタンブールにいた。

現地のクラブみたいなところで知り合った日本人とかベルギー人とかアメリカ人と昼間みんなで周辺観光からの旧市街の安い系オープンカフェみたいなところで飯食ってた。「女いねーかなーｗｗｗ」とかいいながら。
イスラムだからかイスタンブールの夜はあんまり現地の女性が飲み歩いていなかった。外人ばっかでカップル多し。
野郎同士でなんかよくわからないグループになって7，8人で飲んでた。
安い宿どこー？次どこの国いくー？みたいな話しながら。

そのうち街が騒々しくなってきた。
箱乗りで車に乗った現地民が多数現れ、歩行者も増えてきて騒いでいる。
祭りや暴動のようだ。何事！？！？と思い店の英語が通じる店員に聞いたら「ビッグマッチでガラタサライが勝った！だからサポが喜んで騒いでる」ようなことを言った。

サカヲタの俺は知識をフル回転させる。
ああ、前年のUERAカップに勝ったガラタサライが前年のチャンピオンズリーグ優勝のレアルとモナコでヨーロッパスーパーカップに臨み勝ったのだと。

何々！？！？ときょどっているお仲間連中に伝える。
ベルギー人アイルランド人はわかっていたようだが他の面子はほー、くらいの反応。
アメリカ人に至っては「何それ？食えるの？」くらいの反応。

ガラタサライはイスタンブールにあるビッグクラブ。当時はハジという名選手がいた。
日本人なら稲本も1年いたことあるね。ただ、イスタンブールには他にフィネルバフチェ、ベシクタシュというクラブもあり、その店のスタッフはみなフィネルバフチェファンらしく、苦々しくその光景を見ていた。

で、すげー車が通りはじめ、人も増えてきて、よくわからないけどデンジャラスな空気を感じてそんなに遠くないところから発砲音も聞こえる。
祝砲的に現地民が撃っているらしい。こえーよ。
「移動しようか？」と提案したが、ちょうどドイツ人の女子3、4人組をどこかから誰かが拾ってきていてみんな釘付けになっていた。
いや、すげー不穏なんですけど・・・酔えねーよ・・・と思っていたら、

突然俺の横にいたアメリカ人がゴホっとか呻いて倒れた。と共に銃声。近い。
同時に店のガラスが割れた。
え？え？え？え？え？え？え？え？・・・アメリカ人血流してる。キャー！！！みんな逃げまどい始めた

あんまり覚えてないが全力で走ってその場を立ち去った・・・宿に戻ったが、他に誰も(なんとなく知り合った連中数人と同じ宿にいた。1泊800円くらい)戻ってこない。
12個くらいベッドのある大部屋だったので、そこにいた人に「血が出てるけど大丈夫？」と聞かれ
頭を触ったら血がべっとり。トイレの鏡で見たら頭に何かが当たってスゲー流血してた・・・
急に痛くなってくらくらした。睡眠薬強盗が現地で流行っていたので襲われでもしたのか？と同部屋の人にいろいろ聞かれた。いろいろ話したが、一緒に飲んでた朝になっても奴らは帰ってこなかった。
大きな荷物(バックパッカー多し)をフロントにみんな預けていたので戻ってくると思って待った。
朝のニュースで、ガラタサライ勝利に湧いたサポが街で騒いで数人死亡数十人けがみたいなニュースが。

昼頃になってやっと何人か帰ってきた。あのアメリカ人どうなった！？！？
みんな知らない、という。みんな走って逃げて道に迷ったとか。行こう、となり昨晩の店にみんなで行った。
店に人はいたが、夜番の人はいないからわからなかった。ガラスの破片や血だまりがあったので、そこがその店だとは分かった。
全く分からないので、ネットカフェにいったが当時はまだそんなにネットが普及しておらず
テレビで見たくらいの情報しかわからない。夜またみんなで行った。アメリカ人は死んだ、と伝えられた。

すぐ横で陽気に飲んでたいかついアメリカ人。彼と俺との距離は1mもなかった。
今でもたまに彼が夢に出てくる。顔はもうぼやけてるけど。

↑抜けてる箇所補足。オープンカフェみたいなところで飲んでたのは夜だ。
昼観光したりしてからのーみんなでそのまま飯くいーの飲みーの。みたいな。

あと、俺が頭を怪我したのは多分飛び散ったガラス片から。出血が止まったからそのまま旅行して
ひと月くらいして帰国後日本で病院行ったら銃創ではない、といわれた。

まじもんの修羅場だな
無事に帰ってきてくれて良かった

あんがと。イスタンブールではほかに絨毯屋に監禁されたりとかいろいろあった。
トルコ安全とかよく聞くが、ツアーでの話だよね〜といつも思う。

あと一つ誤字。UERAカップ⇒UEFAカップだな

トルコ国内の試合風景を初めて見た時、スタンドが火の海じゃねーか！と驚いたなぁ
「日韓ワールドカップでイルハンに興味を持ちました。トルコに今度行くんだー♪」なんていう書き込みを当時よく見かけたけど、自分には絶対無理だと思った